みなさんは時間に正確なタイプですか?
約束に遅れたら、罪悪感を感じますか?時間を守るのは美徳でもあり、礼儀とも言えます。私は、ものごとをまじめにやる人は絶対に約束時間も守ると思います。日本人は時間に正確であることで有名な民族です。面接でも、商談でも、遊びに行く時でも、必ず時間通りに現れます。あまり時間に正確ではない台湾人の私は、最初ちょっと慣れることができませんでした。
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私は日本で何回か、印象深い遅刻事件を経験しています。一つは、ある出版社の編集者と有名な写真家のスタジオへ行って、写真を撮ってもらった時です。編集者は、時間の計算を間違えてしまい、電車に乗った時からとても緊張していました。彼女は電話で謝り続け、電車を降りた後、私は彼女について走り続けることになりました。どうしてタクシーに乗らなかったのかって?駅のホームから出口までも相当距離があるし、タクシーに乗ったとしても、繁華街では渋滞になる可能性がある上に、車が通れない道もあるので、やはり足で移動する方が早いんです。
どのぐらい走り続けたのか、私も覚えていません。まるで短距離レースに出たような感じで、現場に到着した時は二人ともほとんど虚脱状態でした。
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もう一つは、ある政府機関を訪問した時です。電車が遅れたので、この時も駅を出た後、同伴者と一緒に狂ったように走りました。まるで命の危険から逃れるかのように、身体の力がなくなるまで走り続けました。
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日本では、遅刻することはとても失礼なことなのです。個人の遅刻が、他の人の仕事や行程に影響を与えるからです。電車に乗っていて、突然事故で停車したことがありました。駅と駅の間に停車したので、降りようと思っても降りられません。車掌が「事故処理のために電車はしばらく停車します。みなさんには大変ご迷惑をおかけします。」と放送したとたん、驚くような光景が目の前に出現しました。車内のすべての人が同時に携帯電話を取り出して、相手に遅刻することと遅刻の原因を説明し始めたのです。車内はたちまち、様々なおわびの言葉でいっぱいになりました。この一斉に行われた動作と、全員の全く同じ反応に、私はびっくりしてしまいました。
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日本に行くことが多いので、私も知らないうちに日本人の時間を守る観念に影響を受けて、約束した時間について気にかけるようになりました。移動する時は、いつもひっきりなしに時計を見て時間を確認します。気にかけすぎてほとんどヒステリー状態になり、私は日本にいる時は毎日非常に緊張しています。
遅刻したり、会社や学校に行く日に寝過ごしたりしないように、日本では様々の変わったタイプの目覚まし時計を売っていますが、その目的は我々を眠らせないことにあります。
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また日本の携帯電話の時間を表示する数字は特に大きくなっています。私の日本の友人には、壁掛け時計や腕時計の時間をわざと15分以上早めている人が多いです。これは、遅刻しないように早めに家を出ようという工夫なのです。時間を守るのは簡単ではありませんね。
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★この文章は 東京流行通訊 2011年11月25日 第44号(通巻第290号)より
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