記念スタンプで思い出を永遠に
みなさんは海外旅行に行ったとき、行程をどのような方法で記録しますか?
写真を撮ったり、絵を描いたり、ビデオを撮ったりするほかに、記念スタンプを押すのもなかなかよい方法ですね。
以前は神社やホテル、博物館、美術館、観光地の駅ぐらいにしかなかったですが、今では種類も置かれる場所もどんどん多様化しています。また季節に合わせたり、販促をしたりするために、鉄道会社が有名なキャラクターの図案を使って、観光客が電車に乗ってスタンプを集め、それをプレゼントと引き換えるといったイベントを次々に打ち出しており、どれもたいへん好評です。こうしてみると、記念スタンプは記念にするという価値だけでなく、観光業がお金を吸い上げる道具としても使われているのですね。
実際、日本の大きな駅はどこも、独自の記念スタンプを押す場所を設けています。スタンプには、その土地の有名な観光地が彫られていて、観光客がそこに来たという証拠になります。ところで、このような習慣はいつごろから始まったのでしょうか?最も早いものは、1931年に福井県の福井駅に設置されたもので、日付がつけられた約5㎝ほどのスタンプだったそうです。1980年から現在に至るまで、国鉄では駅の記念スタンプを営業活動の一環としています。今では800あまりの駅に記念スタンプが置かれています。
私は日本各地を旅行する時、必ず何も書いてないノートを持っていき、気に入った記念スタンプを見つけるたびに押しています。私は気ままな性格なので、スタンプも見たら押すという具合で、スタンプのために特定の場所にわざわざ行くということはありません。しかしスタンプ収集マニアの人たちは、いつもスタンプ台と補充液と収集帳を持ち歩き、スタンプを押す時の傾き具合や力を入れる方向などについてもこだわりがあり、それぞれ独自の哲学を持っています。確かに、さあスタンプを押そうと意気込んでいる時に、駅に備え付けのスタンプ台に水分がなくて、きれいに押せなかった場合は本当にがっかりします。
スタンプ台と言えば、駅のスタンプの色はなかなか奥が深いのです。黒の円形スタンプは自然の景色が特色の駅、赤の円形スタンプは動物や植物が特色の駅、黒の四角いスタンプは史跡や建物、文化財が特色の駅、紫の円形スタンプは温泉が特色の駅、紫の四角いスタンプは伝統工芸や特産物が特色の駅を表すなどと、決まっています。みなさんも次回スタンプを押す時には、そのスタンプの形と色をよく見れば、その駅の特色がすぐにわかりますよ。
私が最も印象深いのは、数年前に鳥取県の境港駅前の水木しげるロードで、行ったり来たりしながら苦労してたくさんの店のスタンプを集め、最後に「完走証」をもらったことです。
駅や博物館のスタンプを集めるのが好きな人もいれば、パスポートに出入国のスタンプを集めるのが好きな人もいます。みなさんはどんなスタンプを集めて、自分の旅行を記録しますか?
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★ この文章は東京流行通訊 2011年6月3日第20号(通巻第266号)より