日本でバラエティ番組を見ていた時のことです。
各地の出身者を代表するタレントが出演して、みなに映像を見せるという番組でした。映像の中には、その地方の名物や特殊な風習や方言などが出てきて、それに対してゲストがクイズ形式で答えるというものでしたが、どれもあまり見たことや聞いたことのない話題や内容だったので、その地方出身の人以外はほとんど正解者がいませんでした。
正解が発表されると、スタジオ内では「なるほど~」「へえ、そうなんだ~」などの驚きの声が沸き起こります。どのタレントも自分の故郷のことをすばらしいと思っており、誇りにしている人もいます。正解が出た時に別の出身地のタレントが馬鹿にしたりすると、すぐに反撃して、出身地が異なる二人のタレントがたいへんな勢いで言い合ったりするので、すごく面白くなります。
本当に日本人の故郷に対するこだわりはたいへんなもので、私がもらうお土産でも、彼らの出身地の名物を買ってきてくれることが多いのです。郷土愛があるだけでなく、私がもう一つ日本人についてすばらしいと思うのは、各地方の商店街で必ず商店街振興組合を結成していることです。
振興組合とは名前の通り、そこに住んで故郷を愛する商人たちが、心を合わせてその地区の商売を発展させ、収入が上がるように振興するために設立されたものです。確かに、一人で孤軍奮闘するよりみんなと肩を並べて戦った方が、不景気な時代に生き残りの道を進むことができるということは確かでしょう。
そのおかげで、外国人である私も日本で、視野が広がるようなすばらしい商店街をたくさん楽しんできました。カエルやヤマネコの伝説をテーマとした像や、有名なキャラクターの像を作って商店街や駅の周辺に飾り、アニメの雰囲気を出したり、話題を作ったり、お客を呼び寄せたりしているところもあります。
これまでに私は、ウルトラマン、鬼太郎、葛飾区亀有公園前派出所の両津、名探偵コナン、銀河鉄道999、忍者ハットリくんのテーマを使った商店街に行ったことがあります。どの商店街も特色があり、各店が限定商品を売り出しているので、外から来た観光客は夢中で買物をし、記念品を買わずにはいられなくなり、その地区の経済に大きく貢献してしまいます。私の出身地にこんな可愛い商店街があったら、私もきっと誇りに思うことでしょう!(笑)
出身地に恩返しをする最もいい方法は、その地方のイメージキャラクターになることでしょう。自分の故郷のために宣伝をする一方で、自分も大きな収入が得られるので、なかなか悪くありません。みなさん自身が出身地の宣伝をするとしたら、故郷のどんな味覚を特に推薦したいですか?
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★ この文章は 東京流行通訊 2012年4月27日第16号(通巻第310号)より ★
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日本の各地方を代表する「ゆるキャラ」もいろいろいますからね。
鳥取県の「トリピー」、島根県の「しまねっこ」、奈良県の「せんとくん」、滋賀県彦根市の「ひこにゃん」、北海道長万部町の「まんべくん」などです。
台湾の「Openちゃん」も日本人から見ればゆるキャラと言えます。