来週はもうクリスマスですね。みなさんは、今年はどこでクリスマスを過ごされますか?
クリスマスと言うとすぐに、プレゼントをいっぱい積んだそりと白いひげのサンタクロースが、一面の銀世界の中を駆け抜けて行く光景が頭に浮かびます。クリスマスカードにあるような、そんな果てしなく続く真っ白な雪景色を見てみたくありませんか?実はわざわざヨーロッパまで行かなくても、日本でもそれを見ることができるんです。
今日は皆さんに美しい雪景色が見られる場所をご紹介しましょう。それは、富山県の相倉(あいのくら)合掌村です。日本好きの方々は、合掌村のことを聞いたことがあるかもしれませんね。正確に言うと、合掌集落です。
合掌造りとは、両側の材料を三角形の形状に組んであって、それが両手で合掌する形に似ているところから合掌建築と呼ばれたものです。合掌村は、三角形のかやぶき屋根の合掌造りの家が集まっている村で、独特の外観を持っています。この形の家屋は以前からあまり作られなかった上に、戦後の経済成長期に多くの地区で近代化が行われ、数も激減してしまいました。
現在日本国内で保存状態が良好な岐阜県大野郡白川村の荻野集落、富山県東砺波郡平村の相倉集落、そして上平村の菅沼集落の三ヶ所は、1995年12月に世界遺産に認定され、これによって合掌村にすばらしい栄誉が与えられたのです。
私は幸運なことに、12月上旬に富山県に取材に行き、相倉集落の民宿庄七に投宿しました。現在相倉集落にある合掌建築は、新旧の民家、寺、道場、合掌小屋など24棟です。そのうち11棟に人が住んでおり、7棟は民宿で、残りの4棟は商店やお茶屋さんです。10棟は空家です。ここは人口わずか80人の小さな村なのです。
我々は高さ約11メートルで200年の歴史を持つ二階建ての民家に宿泊し、和室で囲炉裏を囲んで集まり、魚やみかんを焼いたり、当地の山菜料理を味わったり、伝統民謡を聞いたりして、たいへん特別で忘れがたい夜を過ごしました。
到着する前の日に雪が降り始めたので、翌日目が覚めて外に出て見た時は、誰もが目の前の美しい光景に息をのみました。見渡す限り真っ白な雪の世界で、木の上にも、屋根の上にも、路上にも、車の上にも、バス停の標識にも、柔らかな白い雪が厚く降り積もっているのでした。遠くを眺めると、まるで一幅の絵のようでした。村全体の美しい景色を捉えるために、私たちは雪の中をゆっくり歩いて展望台に登り、誰もが白い息を吐きながら夢中でシャッターを押して、本物とは思えないほど美しい合掌村の雪景色を完全にカメラに収め、脳裏に焼き付けました。
合掌建築は最も発達した民家形式の一つであり、日本の木造文化の代表と言われます。たまにはコンクリートの都市の騒がしさを忘れて、大自然に回帰し、シンプルで美しい農村の景観を楽しみたいと思いませんか?今年は合掌村に宿泊して、いつもとは違うクリスマスを過ごしてはいかがでしょうか?
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< ★ この文章は東京流行通訊 2012年12月21日 第49号(通巻第343号) より ★ >
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【延伸閱讀】<相倉合掌集落 http://www.g-ainokura.com/ >
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