日本のいろいろな伝統文化の中で、茶道は私が気に入っているものの一つです。
茶道、華道、さらに料理や裁縫などは、昔は花嫁の必修課程とされていました。茶道はもともと中国から日本に伝わったものですが、その後多くのお茶好きの人々によって広められ、独自の発展を遂げて日本特有の文化になりました。日本の茶道は最初、僧侶たちが集中して思考するためのものでしたが、後に広められてお茶と食事を共にする一種の儀式になりました。
茶道を行う専門の茶室は、一般に日本庭園の中に建てられます。しかし最近は生活環境が変わり、ホテル内や商業ビル、公会堂の隅などにも茶室がよく見られます。この他、茶道部があるために、多くの大学では学校の一角に茶室が作られています。
茶室の面積は四畳半が基準で、四畳半より大きいものは「広間」と呼ばれ、四畳半より小さなものは「小間」と呼ばれます。主人が客人を招く茶室内のしつらえは非常に凝ったものになっていて、掛け軸、装飾の花、お菓子、登場する各種の茶道具、客人にお茶を出すための陶器の茶碗など、いずれも心を込めて選ばれたものであり、それによって主人の趣味ともてなしの心が示されるのです。
私は、茶道の精神は現代人にとってとても必要なものだと思います。熱い湯を茶碗に入れ、抹茶を溶いて客人に出すだけの簡単な儀式に見えますが、その中には深遠で無限の意味が含まれており、なかなかあなどることはできません。
主人が入場する時の態度、お茶を立てる、差し出す、味わうなどの過程において、重んじられるのは心の平和です。茶室と主人の作り出す雰囲気と空間によって、やってきた客人は掛け軸を鑑賞し、季節感を表す和菓子を食べ、おいしいお茶を飲むと同時に、頭の中でその季節の美しい景色を想像することができ、それはとてもすばらしいものです。そわそわしていた気持ちが完全に静まり、ゆったりした気分になり、茶道の最高の境地に達するのです。なかなか不思議ですてきな儀式だと思いませんか?
2月に私は東京の空門サロンの茶道教室で、このすばらしい奇跡を体験しました。
コースに参加した台湾人たちは、入る時はにぎやかでしたが、主人の優美な身体言語と茶室の環境に影響を受けて、みんなの動作は知らず知らずのうちに優雅で落ち着いたものに変わり始めました。ですから、自分の心を短時間でいらだちから抜け出させて平静になりたかったら、茶道教室に行くことをお薦めします。
もし茶室に行く時間がない場合は、緊張で怒らせた肩を今すぐ緩めて、武装した戦闘態勢を解除してみましょう。そして、ただゆっくりとお茶を一杯飲んで、ちょっと休息してみてください。
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★この文章は 東京流行通訊 2012年3月2日第8号(通巻第302号) より
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