280円の牛丼は、節約の星!
私の観察から言うと、日本人がケチだというのはちょっと言いすぎだと思います。ちょっと言い方を変えて形容してみましょう。私は、最近の日本人がますます倹約家になったと感じています。娯楽を減らすだけでなく、物を買う場合も衝動買いはしないし、倹約のために家の中にいることを選ぶようになりました。
特に男性サラリーマンは、毎月もらう給料がほとんどそのまま奥さんの財布に入ります。その後で奥さんからお小遣いをもらうのですが、それは可哀相になるほど少ない金額です。生活費以外の娯楽費用を捻出しようと思ったら、食費を工夫するしかありません。
日本のサラリーマンは、昼食に平均いくら使うかご存知ですか?
以前は1000円以下なら受け入れられるという感じでしたが、今はもっとひどくなって、500円以下でなければ「経済的」とは言えません。お腹がいっぱいになるかとか、おいしいかとかいうことは、構ってはいられないのです。
さて、500円で何が食べられるでしょうか?みんな財布の紐がしっかりしているので、飲食店も様々な安上がりのランチを次々に売り出していて、選ぼうとすると選択肢がなかなか広いのです。おかずとご飯とスープがついて500円の日替わりランチを食べてもいいし、マクドナルドで500円以内のセットを頼むこともできます。
コンビニに行って100円のおにぎり二つと1本150円の飲み物を買って、残った150円はスイーツなどを買うのに使うか、あるいは貯めておいて翌日のおかずを増やすのに使うという手もあります(ああ、みじめ)。また、「松屋」か「吉野家」に行って、280円の牛丼でおなかを満たすこともできるでしょう。残った220円を持ってマクドナルドに行き、100円のコーヒーを飲んで、100円のスイーツを食べ、それでも20円貯められますね。おや、こうして計算してみると、500円でもかなり使いでがあるようですね。
「松屋」と「吉野家」という二つのファストフード店は、実は貧しい留学生や個人旅行をする観光客の救いの神なのです。私自身はどちらかというと松屋が好きです。それは吉野家よりメニューの種類が多いからで、牛丼のほかにカレー、ハンバーグ、豚丼、韓国風豆腐チゲセットなどから選ぶことができます。また、すべてのご飯類には味噌汁がついています(吉野家では別途頼まなければなりません)。日本に長期的に滞在する場合、私は1週間に3回は行きます(笑)。重要な点は、味がいいということですね。
だから、280円の牛丼は、本当に節約の星なのです!牛丼が、その安さによって放つ「節約の輝き」は、他に比べるものがありません。これからもずっとこの価格(あるいはもっと安い価格)を維持し続けて、みんなを笑顔にさせ続けてほしいものです。
★この文章は「東京流行通訊サイト」2011年3月11日第9号(通巻第255号)より