あ~!なんて暑いんでしょう!毎日外を歩いていると、太陽の熱で溶けてしまいそうです。気分をすっきりさせる飲み物をたくさん飲んでも、全身がなんだか気が抜けたようで、元気がどうしても出ないんです。私と同じ悩みを持つ人は、少なくないことでしょう。夏に体力をつけたかったら、鰻を食べるのが最適な養生法です!
私は鰻が大好きです。春夏秋冬を問わず、誰かが鰻料理を食べに行こうと言ったら、すぐにもろ手を挙げて賛成してしまいます。毎日食べても飽きないぐらいです。というのも、私にとって、この世で鰻よりおいしいものはないと思えるからです(杏子流の主張です)。日本では、毎年七月に鰻の日、すなわち「土用の丑の日」があります。夏の土用の丑の日は一日か二日しかなく、二日ある場合は「一の丑」「二の丑」と言います。2011年の一の丑は7月21日、二の丑は8月2日です。ですから、7月21日に忘れずに鰻屋さんに行って鰻を食べれば、鰻のように元気いっぱいになれるというわけです。
では、なぜ土用の丑の日が鰻の日になったのでしょうか?
幕末に、平賀源内という有名な学者がいました。ある日、鰻屋の主人が彼のところにやってきて、夏は売れ行きのよくない鰻をどうしたらたくさん売ることができるかと相談しました。源内はそれを聞いて、このようにアドバイスしました。「店の門に『本日丑の日』と書いた紙を貼って、みんなに『丑の日にはウの付くものを食べると夏負けしない。(日本語の鰻の発音はウから始まります)。丑の日に鰻を食べるのが一番いい!』と言いなさい」鰻屋の主人がその通りにしたところ、なんと大成功だったので、他の鰻屋もそれを聞いて同じことをし、土用の丑の日に鰻を食べる習慣ができてしまったのでした。実はウの付く食べ物は他にも「梅」や「うどん」などがありますが、取り上げられることは少ないですね。
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日本人は古くから鰻を食用にしていたという記録がありますが、調理方法は現在とはやや異なります。鰻をおろしてたれをつけて食べる方法は、18世紀ごろから始まったとされています。また、鰻の調理法は地方によってやや違いがあります。関西ではまず鰻を腹からおろした後、蒸さずに直接焼くので、皮も肉もパリパリして、濃厚なたれの香りが特徴です。一方関東では、鰻を背からおろし、蒸してから焼きます。そのため、鰻の肉が柔らかくて爽やかです。
しかし、蒸した鰻であっても、かば焼きであっても、鰻が養殖でも天然でも、鰻の肉が口に入った時の感触は他のものに替えがたいすばらしさがあって、私はたまらなく好きなのです!また鰻は豊富なビタミンA、B群を含み、体力を補い、食欲不振や夏の無気力を予防するなどの効果があります。炎暑の夏、おいしいものを食べて、栄養を補ってこそ、厳しい夏の暑さに対抗できるというものです。さあ!今晩は、鰻定食を食べに行きましょう!
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☆この文章は 東京流行通訊 2011年7月15日第26号(通巻第272号)より
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日本のウナギは、日本の川で獲れた成長魚、あるいは幼魚を養殖したものを、食用としています。
でも、元はグアム島近くの海で産卵したものが、海流に乗って、台湾の東側や沖縄を経由して、日本の河を遡上しているのです。
もし、人間に食べられなければ、日本の川の上流で大きく成長して、再びグアム島近くの海に戻っているのです。言わば、「インバウンド周遊魚」なんです。
ハハハ、失礼しました。