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もんじゃ屋形船

M-YAGATA-01

あっという間に端午の節句も過ぎましたが、酷暑の季節を迎える準備はしっかりできていますか?

日本では毎年夏になると、あちこちのレストランや百貨店でビヤガーデンが開かれます。椅子とテーブルを戸外や屋上に運んで、おいしい食べ物やお酒を提供し、サラリーマンたちに暑気払いをさせてくれるのです。

私は残念ながらお酒はアレルギーがあるので、ビールで暑気払いはできませんが、その代わりになるいい方法があります。私は夏に屋形船に乗って、夜景を鑑賞しながらおいしい食べ物を味わって、夏の夜を過ごすのが好きなのです。

ご存じない方が多いかもしれませんが、この屋形船は夏だけに登場するものではなく、春は屋形船で花見ができるし、秋には月見ができます。風雅だと思いませんか?夏の花火の季節には、各地の屋形船がみな貸切になってしまって、出遅れた人は乗れなくなってしまいます。

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屋形船の前身は、平安時代の貴族たちが使用した船だと言われています。江戸時代になって、金持ちの商人や上流階級の人々が屋形船に乗って川で桜や月や花火を見るのが流行しました。当時は、隅田川に浮かぶ金銀漆で装飾された屋形船が最も豪華でした。第二次世界大戦後は河川の水質汚濁で、屋形船の人気が衰えましたが、昭和末期になってまた人気が復活して現在に至ります。屋形船に乗ると、視覚的な楽しみだけでなく、味覚の楽しみも味わえます。船上で出される料理の内容は、予算や船の会社によって異なりますが、私が最も面白く感じたのは、月島駅付近から乗船して東京湾を巡り、船上でもんじゃ焼きを食べるコースです。

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もんじゃ焼きは、小麦粉に水を加えたものに刻んだ野菜や肉などを入れて混ぜ、鉄板焼きの上で焼いた軽食です。水分が多いため、もっちりとした感触で、大阪のお好み焼きよりさっぱりしています。東京各地でこのもんじゃ焼きが食べられますが、土地によって味は異なっています。有名なのは、浅草地区以外では、月島駅付近に約60軒のもんじゃ焼き専門店があり、そのため月島もんじゃ(中国語では月島焼)として有名です。

ここから出発してお台場まで行き、もんじゃ焼きをおなか一杯食べて、費用は一人3900円~4900円ぐらいです。乗船すると、いろいろな味のもんじゃ焼きをいくらでも注文でき、飲み物も飲み放題です。充分食べた頃には、ちょうどお台場のレインボーブリッジの前に来ており、お客さんは近距離からお台場の輝く夜景を鑑賞でき、本当にすばらしい体験になります。これも、私が月島もんじゃ屋形船に三回連続乗っても飽きなかった魅力のポイントなのです。

今年の夏は、是非いつもと違った趣向で、東京の避暑を楽しんでください。

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★この文章は東京流行通訊 2011年6月17日第22号(通巻第268号)より

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