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あこがれの「千年の恋」――源氏物語

来週はバレンタインデーがありますね。みなさんは、恋人とどこに出かけるか、もう考えましたか?恋愛と言えば、私はすぐに「源氏物語」を思い出します。

紫式部が1200年前に書いた、この平安時代中期の貴族のロマンスは、今でも人々の関心を集めています。それももっともなことです。この54帖にわたる大作には、プレイボーイの光源氏と、その周囲で複雑にからみ合う美女たちとの愛憎が描かれているだけでなく、平安時代の貴族の生活、文化、服装、飲食、建築などに関する細かい描写の部分が、現代人が日本の歴史を考察する時の素晴らしい参考文献になっているのです。

登場人物は約400人、主要な人物だけでも20~30人いて、中国の古典文学「紅楼夢」にも匹敵する「源氏物語」は、たくさんの翻訳や研究論文が絶え間なく生まれているだけでなく、映画、舞台劇、歌舞伎、小説などでも好んで取り上げられるテーマとなっており、作品が作られるたびに、人々を夢のように素敵なロマンの世界に誘い込んでくれるのです。

昭和49年に開館した「風俗美術館」と、「源氏物語ミュージアム」は、源氏ファンにとって聖地のような場所です。源氏物語の第45帖「橋姫」から最後の「夢の浮橋」までの10帖は「宇治十帖」と呼ばれます。宇治市ではそれにちなんで、源氏物語の世界を完璧に再現した都市を作り出そうと考え、「紫式部文学賞」の設立から始まった観光事業に力を入れています。こうした事業を集大成したのが、平成10年に開館した「源氏物語ミュージアム」なのです!

みなさんは宇治という地名をご存知ないかもしれませんが、宇治川と宇治橋は、昔は有名な観光地だったところで、特に平安時代にはたいへん重要な場所でした。貴族たちはここで船に乗って川遊びをしたり、春には桜、秋には紅葉を鑑賞したりしました。そうそう、宇治茶と宇治金時(小豆・抹茶・ミルクをかけたかき氷)は、多分みなさんもご存知でしょう?(笑)

ミュージアム内の展示エリアは、春の間と秋の間に分かれています。貴族が乗った牛車、貴族が使った几帳、鏡台、服装などが、復元模型で展示されています。ここでは、光源氏が35歳で太政大臣になり、生涯で最も栄華を極めた時期に作った「六条院」の邸宅が100分の1の模型に再現されています。敷地面積の広さから、当時の光源氏の権勢の大きさを知ることができます。

また、長さ約20分の3D映像も素晴らしいです。漫画を読んで源氏ファンになった人も、源氏物語が好きで漫画が好きになった人も、このミュージアムに来たら、きっと源氏物語に対するすべての期待と夢を満たすことができるでしょう。時間があれば、是非宇治を訪れて、優雅な雰囲気を味わってください!

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★ この文章は 東京流行通訊 )2011年2月11日第5号(通巻第251号) より ★

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【相關連結】<<  宇治市源氏物語ミュージアム:http://www.uji-genji.jp/ >>

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