スイーツを食べるなら、日本人を見習ってゆっくりと
極度に疲れたときは、急に甘いものが食べたくなりますね。
スイーツの魅力は、恋人と交わすさよならのキスの甘さにも負けません。
スイーツの甘さが口の中に広がって、柔らかな食感が舌の上に溢れだす……この二つの素敵な感覚が手を取り合って脳にまで達した時、ある人は眉を上げ、ある人は大げさに目を見開いて口を押さえ、ある人は興奮して隣にいる友達の腕をむやみに叩き、またある人は目を細めて、死んでも心残りはないといった調子で「超おいしい~」と叫ぶのです。
スイーツを食べると誰でも心が解き放たれ、顔には微笑みが浮かび、たちまち明るい気分になります。これこそスイーツの効果の3部曲なのです。あるいは「スイーツの功」と呼ぶこともできるでしょう。
スイーツは確かにおいしいのですが、作る過程で大量の砂糖とバターを入れる高カロリー食品なので、ダイエット中の人々によって「高リスク」のレッテルを貼られ、愛されると同時に恨みの対象でもあります。このような悲しいスイーツの矛盾を、私はとてもよく理解できます。なぜってもちろん私も「スイーツ狂」ですから。
日本人はスイーツを食べることを「別腹」といううまい言葉で表現しています。たくさんの食事をとった直後だったとしても、お腹がまるで「産まれそう」なくらいパンパンになっていたとしても、スイーツを見れば、無理しなくても、するりとお腹に収まってしまいます。スイーツを食べる時は、本当に「別の腹」を使っているんですねえ!
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日本人がスイーツ好きであることは、刺身を好きなことと同じぐらい有名です。彼らは西洋菓子を作る技術でも国際的なレベルにありますが、伝統的な和菓子も、賞賛を浴びる美食のアートです。和菓子は色が鮮やかで、造形も華麗で、まるで芸術品のようなので食べるのがもったいなくなってしまいます。多くは季節感を表現することをテーマとしており、季節の食材で作られたものが多いのです。
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和菓子は美しく、和菓子を食べる日本人の動作もとても素敵です。よく観察すると、日本人が和菓子を食べる時に実に優雅であることに気づくでしょう。彼らが重視するのは、「食べる」ということではなく、食べる「過程」なのです。竹のへらを取って、和菓子を小さく切り、口に入れてゆっくりと噛みます。それから熱い抹茶を一口飲むのですが、彼らは普通この時、無意識のうちに、幸福かつ満足げにほっと息をつきます。すべての欲望がここで一段落し、静まっていきます。
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みなさんはここまで読んできて、日本人は何をする場合も「禅」と関係があると思われませんでしたか?彼らはいつも胸を張って堂々と時間を浪費しますが、スイーツを食べる時も例外ではありません。
考えてみると、我々はスイーツを食べる時に、荒っぽくて無作法すぎないでしょうか?二口か三口で食べて、コーヒーか紅茶を流し込んで終わりですから、全部で5分もかからないのではないでしょうか?次に食べる時は日本人を見習って、一口を小さくし、優雅に糖分を口の中へと運んでみましょう。きっと新しい体験が味わえることでしょう。
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< ★ この文章は東京流行通訊 2011年2月25日第7号(通巻第253号)より ★ >
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