杏子的文章 2011-07-15

今日もお疲れ様!

M-KYOKO-02

すべての日本語の中で、耳にするのが一番好きなのが、この「お疲れ様!」です。

実際に疲れていなくても、相手が私をねぎらう言葉を聞くと、なぜだか全身がいっぺんに軽くなって、ちょっとした幸福感が湧き上がってくるのです。

昔の農耕社会では、台湾人が出会って最初に言う言葉は「おなかいっぱい食べた?」でした。まるでこの世界に「おなかがいっぱい」より重要なことはないみたいに、「おなかいっぱい食べた?」と聞くことによって善意といたわりの気持ちを伝えていたんですね。しかも、知り合いであってもなくても、朝でも昼でも夜でも、人と人とが出会うとすぐに「おなかいっぱい食べた?」と聞いて、聞かれた方も同じように「食べたよ。そちらは?」と聞いていたのでした。

この「おなかいっぱい食べた?」と日本語の「お疲れ様!」は、実は同じ原理なのですね。日本語の「お疲れ様!」は、重要な企画案を完成したり、大きな取引をまとめたりした部下に対して上司が言うだけでなく、同僚の間でも、先に退勤する人が「お先に」と言うと、残って仕事を続ける人が「お疲れ様!」と声をかけます。

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面白いことに、この言葉は職場で使われるばかりでなく、サービス業ではさらに頻繁に使われることに気がつきました。ファッションの店で試着をしたり、美容院で髪を整えてもらったりした場合、着てみた時や髪ができあがった時に、店の人が必ず「お疲れ様」と言ってくれるのです。

出版社の会議で連載の内容を話し合う時も、編集者たちが私に「お疲れ様」と言ってくれます。つまりこの言葉は完全に、こんにちは、こんばんは、ありがとう、さようなら、お手数をかけました、などの代わりになっているんですね。実に便利な言葉です。特に、自分と一緒に仕事をした人や、自分に協力してくれた人に「お疲れ様」と言えば、相手も心が通ったように感じるのではないでしょうか?

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ただ、この「お疲れ様」という言葉、言う人と言われる人が理解する「お疲れの程度」には異なるところがあるようです。でも、この言葉はいつも善意から出ているのですから、誰かが言ってくれると、私はとても嬉しくなってしまうのです。

ある晩、たいへんだった一日が終わり、すっかり疲れ果てて池袋駅のホームで電車を待っていた時、何か飲み物を飲みたくなりました。それで自動販売機に近寄ってみたら、何と機械の中に私に微笑みながらお辞儀をしているかわいい女の子が立っているのです。彼女の後には、「今日も一日お疲れ様でした」と書いてありました。私は思わず微笑んでしまいました。

そうです。一日忙しくて、本当に疲れていたんです。でも、誰かがちょうどいいタイミングで「お疲れ様」の一言を言ってくれたら、まるで特効薬を飲んだように、重かった身体がたちまちリラックスしてきます。ですから、みなさんも機会があればできるだけたくさん、同僚や友だちや家族に「お疲れ様」と言ってみてください。お互いの関係がますます素晴らしいものになるでしょう。

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★この文章は東京流行通訊 2011年7月8日 第25号(通巻第271号)より

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