夏祭りを鑑賞して、活力を蓄えましょう
毎年夏に、日本では盛大な花火大会が行われます。みなさんは、今年はもうご覧になりましたか?
花火大会と夏祭りは、日本の毎年の季節のハイライトの一つで、日本人にとって夏祭りと春の花見に参加することは、同じように意味のあるイベントなのです。郷土愛のためでしょうか?この時期になると、日本人はみなとても熱心に自分の故郷で行なわれる祭りに参加します。時間がある人はボランティアをしますし、時間がない人も休みを取って帰省しますが、それは自分を祭りの楽しい気分の中に溶け込ませ、ついでに離れていた家族と集まるためなのです。
本当に、炎暑の夏にこうした活力にあふれる祭りが行われると、参加する人たちが渾身の力と汗を出してパフォーマンスを行うことができるだけでなく、観光客たちも間接的にたくさんの元気をもらうことができます。これまで、私にとって印象深い祭りには、東京の浅草寺の三社祭と、去年の七月に福岡で見た博多祇園山笠があります。祭りの現場に行くと、華麗に装飾された山車の姿やみこしを担ぐ人たちの気勢に圧倒されます。人の波、熱気、掛け声、気温の高さ……これらは、夏祭り以外で味わうことはできません。特に、ふだんはおとなしく見える日本人男性が、スーツを脱いで日本風の祭りの衣装を着ると、一人一人がたちまち日本男児になり、とても魅力的になります。ですから私は、日本の男性が最も男らしくなるのは夏祭りの時だと思います(笑)。
日本の伝統的なお祭りを見たい方には、東北地方に行くことをお薦めします。もし機会があれば、青森のねぶた祭り、仙台の七夕祭り、秋田市の竿燈まつり、山形市の山笠まつり、そして日本三大奇祭の一つである山梨県吉田の火祭りなどに是非いらしてください。お祭りは大体7月上旬から8月下旬にかけて行われます。今からでも見に行けるものとしては8月26日、27日の吉田の火祭りと8月24日から26日まで、山形県新庄市で行われる「新庄まつり」があります。
新庄まつりは今から約250年前である、江戸中期の宝暦6年(1756年)に始まったと言われています。その前年に寒さから大飢饉になり、多くの人々が飢えと寒さと病気のために亡くなりました。そこで当時の城主、戸沢正諶(まさのぶ)が人々に活気を取り戻させ、豊作を祈願するために、天満宮に「新祭」(新庄まつり)を行うように命じたのだそうです。これが、新庄まつりの由来です。祭りの前日と当日は、日本一の華麗な山車が並び、にぎやかな獅子舞も行われます。この時空を超えたすばらしい祭りこそ、絶対見逃すことができないものです!
夏に、日本に行ってお祭りを見ないのは実に残念です。八月が終わるまでにまだ時間がありますから、ちょっと休暇を取って、お祭りを見に行きましょう!
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★ この文章は 東京流行通訊 2011年8月19日 第31号(通巻第277号)より