最近、ある本が日本で話題になっています。それは、「おじさん図鑑」です。
著者が長期にわたる観察の末、日本のおじさんたちを整理、分類して、彼らの知られざる姿を描き出しているのです。もともと街を歩いていてもあまりじっくり観察したことのないおじさんたちが、なかむらるみさんのペンで生き生きと描き出され、とてもリアルで面白いのです。これを読んだ人は、きっと微笑むと同時に驚きの声をあげ、ふだん自分の周りに出没しているおじさんたちが、こんなに可愛くて魅力的な生き物だったのかと叫ぶに違いありません。
おじさんはどんな帽子が好きか?どんな服を着ているか?よく行う動作は何か?彼らが若者に言いたい忠告は何か?おじさんたちが好きなのはどんな女性か?絵も文章もいっぱいのこの本の中で、これらがすべて紹介され尽くされています。正直を言えば、私は彼らがまったく理解できません(あたりまえか?)。でも私は、おじさんとおしゃべりをする時、とても楽しいし、世の中を渡るための道理や秘訣を彼らからたくさん学ぶことができるということは否定できません。
おじさんたちは長年の豊富な社会経験があり、社会の荒波をくぐってきているので、たくさんのことを理解していますし、話題も豊富です。経済面でも、お金のない若いサラリーマンとは違ってグルメに詳しく、どこの焼肉とどこのしゃぶしゃぶがおいしいかなどをよく知っているので、おいしいものを食べたかったら彼らに案内してもらえば間違いがありません。ただ、おじさんの内面世界は私が触れることができない範囲なので、彼らの考え方や今後の夢、退職後の計画などは、我々部外者には知ることができません。
日本のおとうさんたちは、本当にたいへんです。卒業したら社会に入り、結婚後は家族のために働く機械になり、夢と青春を犠牲にします。毎月の給料は全部奥さんに渡し、普段は家にいる時間が少ないので奥さんや子どもとも疎遠になり、家の中でどんどん存在感がなくなっていきます。
ちょうど家に反抗期の娘がいれば、臭いといって嫌われることもあります。その結果、多くのおじさんたちは退勤後に同僚と一杯やりに行き、外で深夜まで過ごしてから家に帰って寝ることになります。休みの日は言い訳を作って出かけ、喫茶店のクーラーのそばで新聞を読んだり、競馬場や繁華街に出かけたりして時間をつぶします。定年後に奥さんから「定年離婚」を迫られる危機に直面するおじさんもいます。もちろん家庭円満で幸福なおじさんもいますが、決して多くはありません。
私は今でもおじさんの魅力が何なのかよくわかりませんが、一日の仕事で疲れ果てて電車の座席でぐっすり寝ていたり、お酒に酔って電車の中でふらふらしていたり、やけっぱちになってホームのベンチで気持ちよさそうに寝ていたりするおじさんの姿を見るたびに、私は彼らに拍手したくなります。おじさん!今日もご苦労様でした。
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< ★ この文章は東京流行通訊 2012年7月8日 第24号(通巻第319号) | SINCE 2000.7.8(12周年記念号)より ★ >
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なかむら るみ著/小學館 2011.12.12 發行/定價 1000円(稅外加)
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