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象の国

M-KYOKO-01

みなさんは「星になった少年」という映画をご覧になったことがありますか?これは、坂本小百合さんの著書「ちび象ランディと星になった少年」を原作とした作品で、2005年に公開されて話題になった映画です。

坂本さんの父親はアメリカの軍人で、第二次世界大戦が終わって四年目に米軍基地で日本人職員の女性と結婚しましたが、小百合さんが生まれて二ヵ月後に日本を離れました。当時父親の写真は一枚しか残されなかったため、小百合さんは父親について印象がほとんどないそうです。三十数年前にアメリカに行って父親を捜しましたが、見つかりませんでした。その後、パートナーと一緒に経営していた動物プロダクション会社が軌道に乗り、多くの動物パフォーマンスをプロデュースした後、彼女は日本国内唯一の象のテーマパーク「勝浦ぞうの楽園」を設立することを決断します。

悲しいことに、その準備期間中に長男の哲夢くんが20歳で交通事故のためにこの世を去ってしまいました。悲しみの気持ちが静まった頃、彼女はあるテレビ番組の尋ね人のコーナーに応募して、父親を捜してもらうことにしました。すると思いがけないことに、父親が40年以上前にこの世を去っていたことがわかりました。そして父親の誕生日と長男の命日が、同じ十一月十日であることを知って、彼女はこのことが息子の導きだと感じました。その後、哲夢くんがタイに象使いの勉強に行った時のことを書いた小説が映画になり、大きな反響を呼んだのでした。

自分の息子が象をとても好きなのを見ていたことと、当時日本には象のテーマパークがなかったことから、象の楽園を作ることが坂本さんにとって、ためらうことなく行動を開始する一つの目標になりました。彼女はここを、引退した象たちの静養の場所にすると同時に、象の別荘にもしたいと考えていました。彼女の意志の強さと情熱によって象の国は知名度が上がり、象の国の成功は、千葉県市原市の名声も大きく高めたのでした。

象の国の特色は、人々が象と近い距離で接触することができるということです。観光客たちに人気があるのが、象の鼻を抱いて記念撮影をしたり、象にお菓子をあげたりすることであることからも、みんなが象に近づくのがとても好きだということがよくわかります。高いところが恐くない人は、象に乗る楽しさを味わうこともできますし、すばらしい象のショーは絶対に見逃せません。象たちが音楽に合わせて踊ったり、大きな足で楽器を演奏したり、逆立ちをしたり、ぺたんと坐ったり、人をまたいだり、長い鼻で子供たちに帽子をかぶせたり、お金をつかんで物を買ったりするパフォーマンスや表情は、とても楽しいものです。特に、像が鼻で筆をつかんでもっともらしい態度で画用紙に塗りたくり、三分もかからないうちに絵を書き上げたのを見た時は、本当に驚嘆しました。

象の身体は巨大ですが、可愛くて純真な一面があるんですね。ですから、みなさんも気持ちが落ち込んだり、息抜きをしたくなったりした時は、是非象の国に行って、かわいい象たちに心を癒してもらってください!

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<  ★ この文章は東京流行通訊 2011年5月20日第18号(通巻第264号) より ★  > 

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2 則留言

  1. 象が絵を描く動画、ユーチューブで見ました。
    本当にちゃんとした花の絵を描いていたのです。ビックリ!

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