日本での電車による移動は、短期の旅行の場合には非常に便利で助かります。日本の電車は設備もよく、時間に正確で、乗り心地も満点だからです。しかし移動のために毎日電車に乗り続けなければならないと、ちょっとつらくなってきます。
移動中の時間について、私はいつも無駄で退屈な時間だと感じているので、居眠りをして体調を整えるのに利用しています。というわけで、私は長距離列車に乗るのがあまり好きではありませんでした。ところが、ある時取材のためにキャラクターが描かれた列車に乗った時の興奮は、言葉では表現できない程のものでした!
日本全国各地にはたくさんのキャラクター列車があり、描かれているのは有名なキャラクターばかりです。
こうした列車は大抵著名な漫画家たちの出身地を走っています。例えば、私は宮城県石巻市の石巻駅で、石ノ森章太郎さんの漫画の主人公が描かれたJR仙石線に乗り、鳥取県境港市の境港駅で、水木しげるさんの漫画の主人公をテーマとした鬼太郎列車に乗り、富山県氷見市ではJR氷見線/城端線を走る、藤子不二雄Aさんの描いた忍者ハットリくんの列車に乗りました。
こうしたキャラクター列車に乗るのはとても面白いことです。車両の内外に見所がたくさんあるだけでなく、可愛らしいアニメの声で駅名や沿線の観光地が放送されたりします。これらを聞いたり見たりしているうちに、自分がキャラクターの世界に入り込んでしまったようで、とても楽しい気分になってきます。こんな列車に乗っている時は、何時間乗っても飽きることがありません。
それからはキャラクター列車が大好きになり、その真髄を見たいがために、わざわざ列車に乗って遠くまで出かけるようになりました。特に今年の3月、北九州市の小倉駅で銀河鉄道999列車の出発式に参加した時の感動は、今でも忘れることができません。
北九州モノレールの開業25周年を記念して、北九州市は福岡県久留米市出身の漫画家松本零士さんに、電車のデザインを依頼したのです。この出発式の日に、松本零士さんは一日駅長を務め、スピーチ、列車への記念のサイン、テープカットを行ないました。その後松本さんの吹く笛を合図に当地の児童合唱団がアニメの主題歌を軽快に歌い、華やかな銀河鉄道列車はみなの拍手を浴びながら、出発していきました。松本さんが去っていく列車の後ろ姿を見送る光景は、私の心に深く刻まれました。
みなさんも気分を少し変えて、童心を取り戻したいと思った時は、時間を作ってキャラクター列車に乗ってみてはいかがでしょうか?
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この文章は東京流行通訊から転載しました。